トライの解約違約金|2万円か5万円かは受け方で決まる

この記事は2026年9月6日に各社の公式ページを確認して作成しました。手順や金額は変更されることがあるため、お手続きの前に公式ページで最新の内容をご確認ください。
文=仁藤 律(解約ナビ 運営者

「家庭教師のトライ」も「個別教室のトライ」も、運営しているのは同じ株式会社トライグループです。ところが解約したときに請求される違約金の上限は、この2つで金額が違います。しかも違うのはトライの社内ルールだからではなく、法律(特定商取引法の政令)が別々の金額を定めているからです。

結論から言うと・・・同じ「トライ」でも、教室に通っていたのか、自宅やオンラインで受けていたのかで、中途解約時の違約金の上限額が変わります。そしてトライ自身のFAQも、まさにその2つに分けて別々の金額を回答しています。

解約方法

トライの解約は解約受付窓口(050-5805-9857/日祝を除く13:00〜22:00)への連絡で手続きします。中途解約はいつでも受け付けており、月の途中の解約も可能です。そして申し出た月の翌月末日まで授業を継続すれば、トライは違約金を免除すると公式に案内しています。契約更新をしない場合は2月中に連絡が必要です。クーリング・オフは、契約書面を受け取った日から起算して8日以内なら書面・電話・メールで可能です。

ヤクちゃん

個別教室のトライに通わせています。辞めたいのですが、違約金っていくらですか?

カイくん

教室に通う形なら、トライの案内では「2万円か定額月謝のいずれか低い額」です。同じトライでも家庭教師やオンラインだと「5万円か定額月謝のいずれか低い額」になります。この差には法律上の根拠があります。ただし急がないなら、申し出の翌月末まで通えば違約金は免除されるとトライ自身が案内しています。

この記事は、家庭教師のトライ・個別教室のトライ・トライのオンライン個別指導塾を利用中で、途中でやめたい/やめた後の請求額が正しいか確かめたい方に向けたものです。

目次

トライの解約:まず結論と早見表

トライは中途解約自体をいつでも受け付けています。問題は「いくら払うことになるか」で、それが受けていたサービスの形態によって2通りに分かれます。トライ公式のよくあるご質問は、この設問で必ず「家庭教師・オンライン個別指導塾」か「個別教室・トライプラス」かを選ばせる作りになっており、選んだ側によって違う金額が表示されます。

家庭教師のトライ/オンライン個別指導塾個別教室のトライ/トライプラス
トライ公式の案内(指導開始の解約)2万円(生徒登録・計画立案・教師選抜の対価)1万1千円(生徒登録・計画立案・講師選抜の対価)
トライ公式の案内(指導開始の解約)①不足額+②定額月謝か5万円のいずれか低い額①不足額+②定額月謝か2万円のいずれか低い額
特定商取引法上の類型(政令別表第四)家庭教師(四の項)学習塾(五の項)
法律が定める開始前の上限2万円1万1000円(7類型で最低)
法律が定める開始後の上限提供済み対価+「5万円 or 1か月分の授業料の低い方」提供済み対価+「2万円 or 1か月分の授業料の低い方」
対象者の限定限定なし小・中・高生等に限定

入会金は税込11,000円で、初回契約時のみ必要です(兄弟の入会や本人の再入会では不要)。解約の連絡先は解約受付窓口(050-5805-9857/日祝を除く13:00〜22:00)です。(トライ公式FAQ No.257・2026年9月6日確認/同 No.347・2026年9月6日確認)

なお上表は「トライがどう案内しているか」と「法律の天井がいくらか」の対比です。特定継続的役務提供として法律の保護を受けるには、役務提供期間が2月を超え、かつ支払総額が5万円を超えることが必要で、これは契約ごとに変わります。どちらの類型に当たるかも、ブランド名ではなく契約書面に書かれた役務提供の場所で決まります。

💡 先に読んでほしい:違約金を払わずにやめる方法をトライ自身が案内している

上限額の話に入る前に、金額に直結する話を先に置きます。トライは中途解約の回答のなかで、「解約申出日の翌月末日を解約日とし、解約日まで授業を継続いただいた場合は、上記②の違約金を免除します。」と明記しています。②とは違約金部分(定額月謝か5万円/2万円のいずれか低い額)のことです。

この免除は、「家庭教師・オンライン個別指導塾」を選んだ場合と「個別教室・トライプラス」を選んだ場合の両方の回答に、同じ文言で書かれています(当編集部で両方の分岐を確認)。別のFAQでも「当月中の解約を希望される場合、違約金をお支払いいただくことを原則としていますが、お申し出の翌月までご継続いただくことで違約金を免除しております。」「または、解約を申し出た月の翌月末まで授業を受けて退会することができます。その場合、違約金はかかりません。」と案内されています。

つまり「今月末で辞める+違約金を払う」か「翌月末まで通って違約金ゼロ」かの二択です。どちらが有利かは月謝で決まります。定額月謝が2万円以下(家庭教師・オンラインは5万円以下)なら、違約金は月謝と同額なので、出ていくお金は両者ほぼ同じで、翌月末まで通うほうはその分の授業がついてくるだけ得です。月謝がそれを超える場合は、当月末で切ったほうが現金の支出は少なくなります。「違約金を払わないほうが必ず安い」わけではないので、ご自身の月謝額と残り授業回数で比べてください。(トライ公式FAQ No.1825No.1827No.344No.350・いずれも2026年9月6日確認)

🔑 発見:トライ自身のFAQが、法律の区分どおりに金額を分けている

トライ公式FAQ「指導開始後に中途解約をする場合、違約金はいくらになりますか?」(No.1466)は、質問を開いただけでは答えが出ません。「ご利用いただいているサービスをお選びください」と表示され、「家庭教師・オンライン個別指導塾」か「個別教室・トライプラス」かを選ぶと、初めて金額が表示されます。表示される回答は次のとおりです。

(家庭教師・オンライン個別指導塾を選んだ場合)50,000円か定額月謝のいずれか低い額が違約金となります。

(個別教室・トライプラスを選んだ場合)20,000円か定額月謝のいずれか低い額が違約金となります。

(トライ公式FAQ No.1466・2026年9月6日確認)

この「5万円/2万円」という組み合わせは、トライが独自に決めた数字ではありません。特定商取引法施行令 別表第四の第三欄が、家庭教師と学習塾についてそれぞれ次のように定めた額と一致します。

(家庭教師・四の項 第三欄)五万円又は当該特定継続的役務提供契約における一月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額

(学習塾・五の項 第三欄)二万円又は当該特定継続的役務提供契約における一月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額

開始前についても同じことが起きています。トライ公式FAQ「指導前に解約する場合、発生する違約金はいくらですか?」(No.1830)は、家庭教師・オンライン個別指導塾では「2万円」、個別教室・トライプラスでは「1万1千円」と回答します。施行令 別表第四の第四欄は、家庭教師が「二万円」、学習塾が「一万一千円」です。4つの数字がすべて政令の額と一致しています。

もうひとつ重要なのは、トライが「オンライン個別指導塾」を「塾」ではなく「家庭教師」と同じグループに置いていることです。サービス名に「塾」と付いていても、精算のルールは家庭教師側になります。これは法律の区分とも一致します。消費者庁のQ&Aは学習塾と家庭教師の線引きを次のように説明しています。

学習塾と家庭教師の違いは、役務提供事業者が用意した場所で役務を提供するかしないのかということで区別します。その役務提供事業者が用意した場所で役務の提供を行えば学習塾になりますし、役務提供事業者が用意した場所以外の場所で役務を提供する場合には家庭教師というように区別されます。

個別指導塾の形態は家庭教師に似ていますが、教室に生徒が通って習う学習塾の形態を取っていれば、法律上の学習塾に当たります。

◎ファックスやテレビ電話による学習指導(通信教育)/役務の提供の形態を問わず、ファックスやテレビ電話によって提供されるいわゆる通信教育についても、入学試験や学校教育の補習のための学力の教授にあたれば「家庭教師」に該当します。

(消費者庁「特定継続的役務提供に関するQ&A」・2026年9月6日確認)

つまり、判断の軸は「トライが用意した場所(教室)で受けたか、それ以外(自宅・オンライン)で受けたか」の1つだけです。ブランド名でも、講師の呼び方(個別教室は「講師」、家庭教師側は「教師」)でもありません。ご自身がどちらだったかは、契約書面に書かれた役務提供の場所で確認してください。会社名だけを見て「トライは家庭教師だ」と決めることはできません。

💰 結局いくらかかるのか

そもそも授業料はいくらなのか(公開されている額・されていない額)

トライは授業料を原則として公開していません。家庭教師のトライの授業料ページには金額の記載が1つもなく、「週の授業回数、学習プランによって料金が変動しますので、お気軽にお問い合わせください」と案内されています。個別教室のトライの授業料ページに具体的な金額として載っているのは入会金11,000円(税込)だけで(ほかは振替費・講師交代費・カリキュラム作成費が「0円」との記載)、月謝は「1週間の授業回数や教師ランクによって料金が変動いたします」とされています。公式FAQも「月々のお支払いはお住まいの地域やご利用方法によって異なります」と答えています。

3サイトのうち月謝の目安を公開しているのは、オンライン個別指導塾の料金ページだけです。1コマ60分×月4回で、小学生14,960円〜(税込)、中学生17,600円〜(税込)、高校生21,120円〜(税込)と記載されています。(トライのオンライン個別指導塾「料金について」・2026年9月6日確認)

教材費については、家庭教師のトライ・個別教室のトライの両方が「教材費がかかりません」と明示しています。公式FAQも「トライ指定のテキストはございません」(家庭教師・個別教室・オンライン個別指導塾)と回答しています。ただしトライプラスについては「トライオリジナルの推奨テキストをご用意しています。※別の教材を使用することも可能です。」と、別の回答になっています。なお会員向けに「トライ書店」があり、注文方法や送料の詳細は会員アプリ「トライHOME」内のヘルプに記載されているとされています(サイト外からは内容を確認できません)。

指導が始まる前にやめる場合

トライは「生徒登録、計画立案、教師選抜(講師選抜)の対価」として、家庭教師・オンライン個別指導塾なら2万円、個別教室・トライプラスなら1万1千円を請求すると案内しています。法律上、役務提供開始前の解約で事業者が請求できるのは「契約の締結及び履行のために通常要する費用の額」で、その上限が家庭教師2万円、学習塾1万1000円です。トライの案内額は、いずれも上限ちょうどということになります。

ここで注意したいのは、政令の額はあくまで天井だという点です。逐条解説は次のように明記しています。

なお、これらはあくまでも上限であり、役務提供事業者にこれらの金額を請求する権利を認めたものではない。

本項第1号又は第2号の政令で定める額はあくまでも上限であり、個別ケースにおいて生じている損害又は費用の額がこれを下回っている場合にまで当該上限額を請求できることを容認するものではない。

(消費者庁「特定商取引に関する法律・解説(逐条解説)」第4章・2026年9月6日確認)

ここでもうひとつ確かめておきたい数字があります。トライの入会金は11,000円(税込)で、個別教室・トライプラスの開始前違約金1万1千円と同額です。この2つが同じ金銭を指すのか、別々に発生するのかは公式ページからは判断できません〔未確認〕。ただし、判断できなくても読者の側で検算はできます。1万1千円は学習塾の法定上限そのものの額だからです。

法律上、開始前の解約で事業者が請求できるのは学習塾なら1万1000円が天井で、しかも消費者庁Q&Aは入会金・入学金についても「基本的にはこの精算ルールに従って返還すべき性格のもの」としています。つまり入会金を返さないまま、さらに1万1千円の違約金を請求して合計22,000円を受け取る形になっていれば、それは法定の天井を超えます(家庭教師・オンライン側なら入会金11,000円+2万円で天井の2万円を超えます)。トライが実際にどう精算するかは、精算方法を定めた契約書面が公開されていないため確認できません〔未確認〕。請求書や返金明細を受け取ったら、入会金と違約金を合算した額が上限を超えていないかを必ず確認してください。超えていれば188に相談する場面です。

また、トライの案内する違約金額が税込か税抜かは、FAQにも料金ページにも記載がありません〔未確認〕。

指導が始まった後にやめる場合(差が出るのは月謝2万円超のとき)

トライの案内は、開始後の中途解約について①と②の合計を請求するというものです。

(指導開始後) 下記①及び②の合計額をお支払いいただきます。
①中途解約時点で既にお支払いいただいている授業料が実際の指導回数に基づき計算された授業料に満たない場合、その不足額
②中途解約時点の定額月謝か5万円のうちいずれか低い額(違約金)
尚、中途解約時には上記①及び②の違約金をいただくことを原則としますが、解約申出日の翌月末日を解約日とし、解約日まで授業を継続いただいた場合は、上記②の違約金を免除します。

これは「家庭教師・オンライン個別指導塾」を選んだ場合の回答です。「個別教室・トライプラス」を選ぶと、②の「5万円」だけが「2万円」に置き換わり、あとは一字一句同じ文面が表示されます。(トライ公式FAQ No.1825・2026年9月6日確認。No.1827も同文)

①は「受けた分の授業料」、②が違約金にあたります。ここで家庭教師側と個別教室側で差が出るのは、定額月謝が2万円を超えている場合だけです。整理すると次のようになります。

定額月謝家庭教師・オンライン個別指導塾の違約金個別教室・トライプラスの違約金
2万円以下月謝と同額月謝と同額(=差は出ない)
2万円超〜5万円以下月謝と同額2万円(=家庭教師側のほうが高くなる)
5万円超5万円2万円

逆に言えば、月謝が2万円以下なら、どちらの形態でも違約金は「1か月分の月謝」で頭打ちです。学習塾・家庭教師は「契約残額の◯%」ではなく「1か月分の授業料」が基準である点が、エステや語学教室と大きく違うところです。年間契約の途中で解約しても、違約金として請求できるのは最大でも1か月分の授業料(かつ学習塾は2万円、家庭教師は5万円が天井)であり、残り期間分の授業料をまとめて請求することは法律上できません。

違約金免除が使えるのは「開始後」だけという点に注意

冒頭で触れた「翌月末まで継続すれば違約金を免除」という案内は、指導開始後の中途解約についての説明のなかにだけ置かれています。指導開始前の違約金を扱うFAQ(No.1830)は、両方の分岐とも「生徒登録、計画立案、教師選抜(講師選抜)の対価として、2万円/1万1千円をお支払いいただきます」と答えるだけで、免除の条件には触れていません。まだ1回も授業を受けていない段階でやめる場合に免除の枠組みが使えるかどうかは、公開されているFAQからは判断できません〔未確認〕。窓口で確認してください。

未受講分・預かり授業料・すでに引き落とされた月謝

  • 未受講の授業:「契約期間内への振り替え、またはご返金からお選びいただけます。ただし、契約期間満了時点における未受講分の授業料は、原則、返金いたしかねます」とされています。契約が満期を迎える前に手を打つことが重要です。
  • 預かり授業料:「ご使用されていない預かり授業料については、ご解約後に返金させていただきます」とされています。一方で「預かり授業料のキャンセルは不可となります。ご利用がない場合は解約のタイミングで返金となります」とも案内されています。
  • すでに引き落とされた月謝:「中途解約の場合、お支払いいただいた月謝を違約金に充てることができます。差額がある場合は清算させていただきます」とされています。
  • 返金の時期:「原則、中途解約を申し出た月の翌々月末日に返金いたします」(家庭教師・個別教室・オンライン個別指導塾)。トライプラスは「月謝終了月の翌々月末日」です。
  • 返金明細:「返金明細の作成は承っておりませんので予めご了承ください」とされています。金額の根拠を確認したい場合は、担当者に内訳の説明を求めてください。

季節講習・合宿・理解度確認テストといった追加の申し込みについては、トライは「キャンセルやお申込みいただいた時間数を減らすことは不可」「合宿のキャンセルは不可」「理解度確認テストのキャンセルは不可」と案内しています。季節講習は一括払いのみで、受講期限内に消化できなかった分は振り替えできないともされています。これらの代金も、契約上支払わなければならない金銭であれば5万円要件の総額に算入されます。返金や解約をめぐって争いになった場合は、次章の消費者契約法の枠組みが使えます。

⚖️ 法律上の位置づけ

特定商取引法は、長期・継続的な役務と高額の対価を約する取引を「特定継続的役務提供」として7類型に指定しています。エステティック/美容医療/語学教室/家庭教師学習塾/パソコン教室/結婚相手紹介サービスの7つです。家庭教師も学習塾も、要件は共通で「役務提供期間が2月を超える」かつ「支払う金額の総額が5万円を超える」です。総額には入学金・入会金・受講料・教材費・施設利用料などが名目を問わず含まれ、消費税込みで判断します。

トライの契約は期間要件を満たすか

トライ公式FAQは契約期間を「通常入会の場合、契約締結日から1年経過後の3月31日までが契約期間となります。ただし、契約締結日から1年以内に大学受験がある場合には、別途契約期間を定めています」と説明しています。その後は「高校卒業まで1年ごとの自動更新」で、更新費はかからず、更新のお知らせも特にないとされています。この通常入会であれば、契約書面上の役務提供期間は明確に2か月を超えます。ただし後半の「別途契約期間を定めています」に当たる場合、その期間が何か月になるかは公開されていません〔未確認〕。受験直前に短い期間で契約したときは、契約書面の期間の記載を必ず見てください。

一方でトライには短期契約があり、「2ヶ月以内であれば短期での入会(短期契約)ができます」「1回のみの指導から、最長で2ヶ月以内で授業を受けることができます」と案内されています。2か月ちょうどまでであれば「2月を超える」に当たらないため、原則として特定継続的役務提供の規制は及ばないことになります。ただし逐条解説と消費者庁Q&A A27は、両方向の断定を避けるよう留保を置いています。

A27 1ヶ月単位で契約が更新される月謝制で学習塾の役務が提供されている場合、「政令で定める期間」を満たさないため、本章の規制を原則として受けませんが、例えば、役務の提供に必要である等として教材を販売しており、契約の実態として、役務の提供を受ける者が政令で定める期間を越えて契約に拘束されると判断される場合は、本章の規制を受ける場合があります。

この留保が想定しているのは「役務の提供を誘引とした教材販売」です。家庭教師のトライ・個別教室のトライ・オンライン個別指導塾については、料金ページが「教材費がかかりません」「追加の教材費は一切かかりません」と書き、公式FAQも「トライ指定のテキストはございません」と答えているため、このパターンには当たりにくい建て付けだといえます。ただしトライプラスだけは同じFAQで「トライオリジナルの推奨テキストをご用意しています。※別の教材を使用することも可能です。」と別の回答になっており、同じ整理をそのまま当てはめることはできません。推奨テキストが実際に購入必須として契約書面に書かれているかは、書面を見ないと分かりません〔未確認〕。いずれの場合も、短期契約が本当に2か月以内で終わっているか、実質的に延長が前提になっていないかは、契約書面の期間の記載で確認してください。

「オンラインだから対象外」は誤り

オンライン個別指導塾を利用している方が最も誤解しやすい点です。消費者庁は明確に、通信手段を用いる役務も含まれるとしています。

(※3)役務の内容がファックスや電話、インターネット、郵便等を用いて行われる場合も広く含まれます。

(消費者庁「特定継続的役務提供」・2026年9月6日確認。同ページの脚注※3)

オンラインであることは除外事由ではなく、むしろ「事業者が用意した場所以外」なので家庭教師の側に寄せる事情です。トライ自身の精算ルールもそうなっています。なお、「通信販売だから8日以内なら解約できる」という説明を見かけることがありますが、通信販売の返品ルール(法第15条の3)は条文上「商品又は特定権利の売買契約」に限られており、授業という役務には適用されません。

浪人生・既卒生の場合は判断が分かれる

トライ公式FAQは「浪人生や既卒生でも入会できますか?」に「はい。可能です。」と回答しており、個別教室のトライには「高卒生・浪人生コース」があります。ここで法律上の対象者要件が効いてきます。学習塾の定義は対象者を小・中・高生等に限定しており、消費者庁ガイドは「『学習塾』には、浪人生のみを対象にした役務(コース)は対象になりません(高校生と浪人生が両方含まれるコースは全体として対象になります。)」としています。他方、家庭教師については消費者庁Q&Aが「『家庭教師』の定義は役務提供を受ける者の限定はありません。専業主婦や無職の者であっても該当します。」としています。

つまり同じ浪人生でも、教室に通う契約と、自宅・オンラインで受ける契約とで結論が変わりうるということです。トライの高卒生・浪人生コースの契約が学習塾に当たるかどうかは、コースの対象者の設計と契約書面の記載によるため、公式ページからは判断できません〔未確認〕。該当しそうな方は自己判断せず、後述の消費者ホットライン188に相談してください。

クーリング・オフは8日間(書き方が2通りある点に注意)

法律上、クーリング・オフの8日間は契約書面(法第42条第2項・第3項の書面)を受領した日を含めて起算します。書面または電磁的記録で通知でき、「通知を発した時に、その効力を生ずる」(発信主義)ため、8日目に発送すれば到着が9日目でも有効です。

トライの記載は、参照する場所によって書き方が異なります。公式FAQは「契約書面を受領した日から起算して8日を経過するまでクーリング・オフができます」と法律どおりの説明をしています。一方、家庭教師のトライと個別教室のトライの授業料ページには、いずれも「※クーリング・オフ(8日以内の全額返金)をご希望の場合、入会申込書に記載の初回授業日を含めた8日以内にお申し出ください」と書かれています。起算点として挙げられているものが「契約書面の受領日」と「初回授業日」で異なります。

初回授業日が契約書面の受領日より後であれば、料金ページの案内は法定の期間より長い扱いということになり、利用者に不利にはなりません。逆に、契約書面を受け取ったのが初回授業日より後だった場合は、法律上の8日はその受領日から数えます。そして書面自体に不備があるときは、逐条解説が次のように述べています。

役務提供事業者等がこれらの書面を交付しなかった場合はもとより、クーリング・オフができる旨が記載されていない等、書面に重要な事項が記載されていない場合、クーリング・オフをすることができなくなるまでの8日間の起算日が到来せず、クーリング・オフできる時間が継続することになる

手続方法についてトライは「ご契約時にお渡ししている『料金システム・規約についての重要なご説明』に記載しているクーリング・オフ書面を記入・郵送いただく、もしくは解約受付窓口【050-5805-9857】までお電話・メールにてご連絡いただくことでお手続き完了となります」と案内しています。「クーリング・オフ期間内に書面を発送いただければ、クーリング・オフができます」「入金いただいた後でもクーリング・オフができます」とも明記されています。

この『料金システム・規約についての重要なご説明』が、この記事で扱う金額の実際の根拠にあたる書面です。ただし本記事では、この書面と会員規約の本文をウェブ上で確認できませんでした〔未確認〕。trygroup.co.jp のサイトマップに載る2,244件と kobekyo.com の1,133件を通して調べ、「/kiyaku/」「/terms/」「/agreement/」「/rule/」「/tokushoho/」「/law/」を直接指定しても該当ページはありませんでした(いずれも404)。したがって本記事で「トライの案内」として引用しているのは、すべて公式FAQと料金ページの記載です。実際の精算は契約書面が優先します。手元の書面と必ず突き合わせてください。

入会金の不返還特約は無効/関連商品は「書籍」など

消費者庁Q&Aは、「エステティック、学習塾等の入会金、入学金については、基本的にはこの精算ルールに従って返還すべき性格のものであり、上記のいずれにも含まれない『入学金(入会金)は返還しない』等の特約は無効になります」としています。初期費用を中途解約時に請求するには、契約書面の「精算に関する事項」に具体的内容と請求する旨を事前に明示していることが必要です。

関連商品については、家庭教師・学習塾(および語学教室)に共通で、施行令 別表第五第三号がイ 書籍/ロ CD・DVD・CD-ROM等/ハ ファクシミリ装置及びテレビ電話装置を指定しています。本体契約を中途解約すれば関連商品も併せて解約できます。ただし「関連商品」とは契約書面に購入する必要のある商品として記載されたもので、記載のない任意購入品は「推奨品」として対象外です。トライは指定教材がないと案内しているため、トライ書店で任意に購入した書籍が契約書面上どう扱われるかは、契約書面を見ないと判断できません〔未確認〕。なお、家庭教師・学習塾の関連商品に消耗品の指定はないので、教材を使ってしまってもそれだけでクーリング・オフの権利は失われません。

特商法に当たらなくても消費者契約法は使える

短期契約などで特定継続的役務提供に当たらない場合でも、消費者契約法第9条第1号により、解約に伴う損害賠償・違約金のうち「平均的な損害の額」を超える部分は無効です。同条第2項により、消費者から求められた場合、事業者は算定根拠の概要を説明する努力義務を負います。季節講習や合宿の「キャンセル不可」といった扱いで納得できない請求を受けた場合、この枠組みで説明を求めることができます。

📗 これから契約する人へ

  • 契約書面の「場所」の記載を確認する。教室で受けるのか、自宅・オンラインで受けるのか。これ1つで中途解約の上限額が変わります。同じトライでも家庭教師・オンラインは2万円/5万円、個別教室は1万1000円/2万円が上限です。
  • 概要書面と契約書面の2通を受け取る。契約前に概要書面、契約後に遅滞なく契約書面を交付する義務があります。クーリング・オフの記載は赤枠の中に赤字・8ポイント以上という体裁要件があります。受け取っていない/記載がない場合は8日の起算日が到来していない可能性があります。
  • 通常契約か短期契約かを確認する。通常入会は「契約締結日から1年経過後の3月31日まで」、短期契約は「最長2ヶ月以内」です。どちらで契約したかで法律の適用が変わりえます。
  • 自動更新の解除は2月中に。トライは高校卒業まで自動更新で、更新のお知らせは特にないとされています。「契約更新を希望されない場合は2月中にトライへご連絡をお願いいたします」と案内されています(高校3年生・大学受験生・短期契約は自動更新の対象外)。
  • やめる前に「休止」も検討する。休止は1か月単位で、連続で休止できるのは最大2か月まで。休止中の費用は発生しないとされています。申し出は「休止したい月の1ヶ月より前」です。
  • 季節講習・合宿は前払いでキャンセル不可の扱い。申し込む前に受講期限と消化計画を確認してください。
  • やめると決めたら、まず「翌月末まで継続」と比べる。トライは申し出の翌月末日まで授業を継続すれば違約金(②の部分)を免除すると案内しています。当月末で切ると違約金が発生します。
  • 請求額が上限を超えていないか検算する。開始後の請求は「受けた分の授業料+(1か月分の月謝と2万円/5万円のうち低い方)」が天井です。開始前なら1万1000円/2万円が天井で、返らない入会金があるならそれも合算して比べます。残り期間分の授業料の一括請求は法律上できません。

次のようなケースは、自分で判断せず消費者ホットライン188に相談してください。教室に通う浪人生・既卒生で対象になるか分からない/請求額が上表の上限を超えている/入会金を返さないと言われた/年間分の授業料の残りが返ってこない/概要書面・契約書面を受け取っていない、クーリング・オフの記載がない/季節講習や合宿の代金の返金を断られた。消費者庁も「困ったときは、一人で悩まずに、『消費者ホットライン』188にご相談ください。」と案内しています。

よくある質問

オンライン個別指導塾は「塾」だから、個別教室と同じ2万円が上限ですか?

いいえ、逆です。名称に「塾」と付いていても、事業者が用意した場所以外で提供される役務は法律上「家庭教師」に分類されます。消費者庁Q&Aは、テレビ電話等による通信教育も入試準備や学校教育の補習のための学力の教授にあたれば「家庭教師」に該当すると明示しています。トライ自身のFAQも、オンライン個別指導塾を家庭教師と同じグループに置き、「50,000円か定額月謝のいずれか低い額」と回答しています。ただし該当性は会社単位ではなく個々の契約の期間・金額・場所・対象者で決まるので、契約書面で確認してください。

家庭教師のほうが上限5万円で高いということは、個別教室のほうが得ですか?

上限の数字だけを比べればそうなりますが、実際に差が出るのは定額月謝が2万円を超えている場合だけです。月謝が2万円以下なら、どちらも「1か月分の月謝」が違約金の上限で同じになります。そして重要なのは、これが上限であって請求権ではないことです。逐条解説は「あくまでも上限であり、役務提供事業者にこれらの金額を請求する権利を認めたものではない」と明記しています。上限額が請求されると決まっているわけではありません。

入会金11,000円は解約しても返ってこないのですか?

「入会金は返還しない」という特約自体は無効です。消費者庁Q&Aは、学習塾等の入会金・入学金について「基本的にはこの精算ルールに従って返還すべき性格のもの」であり、不返還特約は無効になるとしています。ただし、初期費用を中途解約時に請求するには、契約書面の「精算に関する事項」に具体的内容と請求する旨を事前に明示していることが必要とされています。トライの契約書面にどう書かれているかは公開されていないため、手元の書面を確認し、納得できない場合は188に相談してください。

出典一覧

※本記事は2026年9月6日時点で公開されている情報をもとにしています。料金・規約は変更される場合がありますので、最終的な判断はご自身の契約書面と、トライの解約受付窓口への確認によって行ってください。個別の事案についての法的判断は、消費者ホットライン188または各地の消費生活センターにご相談ください。

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