文=仁藤 律(解約ナビ 運営者)
結婚相談所パートナーエージェント(運営:タメニー株式会社)をやめたいと思ったとき、多くの人がまず気にするのは「払ったお金は戻るのか」です。ところがこの相談所の場合、公式サイトを読み進めても途中退会の申し出方法も、締切も、中途解約したときの精算方法も書かれていません。会員規約が公開されていないからです(会員専用ページはIDとパスワードが必要で、規約の本文は公開されていません)。特定商取引法に基づく表記にも、中途解約や精算についての項目そのものがありません。
結論から言うと・・・退会そのものは公式が「可能」と明言しています。争点になるのはお金のうち「先に払った分」だけで、そこには特定商取引法の上限ルールが効きます。
パートナーエージェントは公式Q&Aで「クーリングオフはもちろんのこと、お客さまのご都合による会員期間中の途中退会も可能です」と明記しています。ただし申し出の手順・締切・精算方法はサイト上には出ていないため、まず担当の成婚コンシェルジュか本部(0800-555-6630/03-6747-4850)に連絡し、契約時に受け取った契約書面の「精算に関する事項」を手元で確認してください。会員期間は契約成立日から18か月(以降自動更新)で、月会費は後払い。返金の争点になるのは前払いの登録料33,000円(税込)と初期費用66,000〜198,000円(税込)です。
ヤクちゃん途中でやめたら、初期費用って全部捨てることになるんですか?
カイくんそこは規約より法律が上です。結婚相手紹介サービスは特定商取引法の対象で、中途解約のときに事業者が請求できる額には上限があります。「入会金は返しません」という特約は消費者庁が無効と説明しています。
この記事は、パートナーエージェントを契約中で退会を考えている人と、これから契約しようとしていて出口の条件を先に知っておきたい人に向けて書いています。
パートナーエージェントの退会・料金の早見表
まず公式サイトで確認できた事実だけを並べます。金額はすべて税込です(コースと料金ページに「※上記金額は全て税込です。」と明記されています)。
| 項目 | 公式に書かれていること |
|---|---|
| 運営会社 | タメニー株式会社(代表取締役社長 伊東大輔/東京都港区六本木1丁目9-9 六本木ファーストビル14階) |
| 会員期間 | 「契約成立日より、18カ月間(以降、自動更新)」 |
| 登録料 | 33,000円(税込・全コース共通) |
| 初期費用 | オンライン66,000円/コンシェルジュ132,000円/コミットメント198,000円(税込) |
| 月会費 | オンライン14,300円/コンシェルジュ18,700円/コミットメント26,400円(税込) |
| 成婚料 | 220,000円(税込)。「弊社が定めるご成婚退会時に発生する成功報酬費用です。コース・条件により異なります。」 |
| お見合い料 | 「お見合い料は一切かかりません」 |
| 休会 | 2,200円/月(税込)。1か月単位。「活動休会期間についても会員期間となります。」 |
| 途中退会 | 「お客さまのご都合による会員期間中の途中退会も可能です」 |
| 退会の申出方法・締切 | 〔未確認〕(公式サイト上に記載なし) |
| 中途解約時の精算 | 〔未確認〕(会員規約が公開されていない) |
出典は(パートナーエージェント 特定商取引法に基づく表記・2026年9月6日確認)、(パートナーエージェント コースと料金・2026年9月6日確認)、(パートナーエージェント Q&A・2026年9月6日確認)です。
🔑 発見:「返金なし」と書いてあるのは、後払いの月会費の話
特定商取引法に基づく表記の「役務提供後の返金」欄には、こう書かれています。
ご利用いただいたサービス利用料金を後払いしていただく形態であるため、役務提供後のご返金には応じられません。
この一文だけを読むと「やめても一円も戻らない」と受け取りがちですが、書いてあるのは「後払いだから、使い終わった分は返せない」という理屈です。実際、公式Q&Aは「活動費に関しては、前払い制を採用している企業が多い中で、サービス提供後にお支払いいただく、完全な後払い月額決済のシステムを採用しています」と説明しており、月会費の引き落としは毎月26日。使った月の会費が戻らないのは、法律の考え方(提供済みの役務の対価は事業者が受け取れる)とも矛盾しません。
問題はそこではありません。パートナーエージェントで先に払うお金は別にあります。登録料33,000円(税込)と初期費用で、コミットメントコースなら合計231,000円(税込)。特商法の表記によれば、口座引き落としの場合はご契約日の翌月26日、クレジットカードなら入会手続き時に支払います。この前払い分をどう精算するかについて、公式サイトには「返す」とも「返さない」とも書かれていません。特定商取引法に基づく表記の項目は「役務の対価」「支払方法・時期」「役務提供時期」「役務提供後の返金」「役務提供条件」などで、中途解約時の精算に関する項目そのものが立てられていません。そして後述するとおり、ここは法律のルールが強く効く領域です。
もうひとつ、休会制度にも読み落としやすい一文があります。「活動休会期間についても会員期間となります。」——費用は月2,200円(税込)まで下がりますが、18か月の会員期間は止まりません。つまり休会は「時間を止める制度」ではなく、活動しないまま契約期間だけが進み、先に払った登録料・初期費用は戻らないまま毎月2,200円(税込)が出ていく状態です。
もう一段踏み込んだ論点もあります。消費者庁のQ&Aは中途解約について「その契約期間中であれば、いつでも、理由の如何を問わず中途解約することができます」としており、契約期間が満了した後は中途解約できません。会員期間が休会中も進むということは、その意味では中途解約を申し出られる期間も一緒に進んでいくことになります。ただし「18か月で権利がなくなる」と単純化しないでください。特商法の表記は「契約成立日より、18カ月間(以降、自動更新)」となっていて、更新後に新たな契約期間が始まるのであれば、その期間中はあらためて中途解約を申し出られると考えるのが自然です。自動更新後の契約期間や中途解約の扱いがどう定められているかは、会員規約が非公開のため〔未確認〕です。休会を選ぶときは、更新の時期と更新を止める手続きを、契約書面で必ず確認してください。
💰 結局いくらかかるのか
契約時に前払いする分(退会でいちばん揉めるところ)
登録料は全コース33,000円(税込)で、公式の説明は「入会申込みに必要な手続きの費用です」。初期費用は「専任の成婚コンシェルジュの割り当て、婚活設計インタビューの実施による活動設計やプロフィール作成のサポート、また会員専用ページの開設によるイベント情報閲覧・申込、会員情報登録・変更等のサービス利用など、各コースの活動準備のために要する費用です」と定義されています。前払い合計はオンライン99,000円、コンシェルジュ165,000円、コミットメント231,000円(いずれも税込)です。
毎月かかる分
月会費はオンライン14,300円/コンシェルジュ18,700円/コミットメント26,400円(税込)で、毎月26日に口座から引き落とし。休会を選べば月2,200円(税込)に下がり、1か月単位で申し込めます。なお20代向けのU29プラン(初期費用22,000円OFF・月会費2,200円OFF)、30歳・31歳応援割プラン(同11,000円OFF・1,100円OFF)、シングルマザー応援プラン(同66,000円OFF・月会費最大6,600円OFF)があり、公式は「※コースによって異なります。コミットメントコースは割引プラン適用の対象外です。」と注記しています。なお「※上記金額は全て税込です。」の注記が付いているのはコースと料金の表までで、この割引額については税込か税抜かが明示されていません〔未確認〕。割引適用後のコース別の実額も公式サイトでは画像表記のため〔未確認〕です。
もうひとつ、契約前に確かめておきたい食い違いがあります。公式Q&Aは費用について「ご登録時の費用として33,000円(税込)、初期費用33,000円〜(税込)、月会費11,000円〜(税込)」と書いていますが、コースと料金ページに載っている最低額は初期費用66,000円(税込)/月会費14,300円(税込)です。公表されている割引額(初期費用22,000円・11,000円・66,000円OFF、月会費2,200円・1,100円・最大6,600円OFF/税込か税抜かは公式に明示なし)をそのまま引いても、33,000円・11,000円ちょうどにはなりません。「※コースによって異なります」という注記があるので割引の組み合わせで説明がつく可能性はありますが、Q&Aが示す下限額の内訳は公式サイトでは〔未確認〕です。「33,000円から」という数字を前提に予算を組まず、自分に適用される実額を見積書で出してもらってください。
成婚したときにかかる分
成婚料は220,000円(税込)。公式の定義は「弊社が定めるご成婚退会時に発生する成功報酬費用です。コース・条件により異なります。」で、支払いは成婚退会月の翌月26日の口座引き落とし、またはご成婚退会確定後のクレジットカード決済です。「成婚」の意味はQ&Aに「成婚とは、真剣交際中のお二人が婚約されたことを意味します。」とあります。つまり婚約に至らないまま途中退会する場合、公式の定義の上では成婚料は発生しません。ただし「弊社が定める」「条件により異なります」という限定が付いているので、実際の判定基準は契約書面と会員規約を見る必要があります(サイト上では〔未確認〕)。
1年で成婚退会した場合の目安
公式の料金を単純に足すと、オンラインコースで33,000+66,000+(14,300×12=171,600)+220,000=490,600円(税込)。コンシェルジュコースは609,400円(税込)、コミットメントコースは767,800円(税込)になります。公式サイトの他社比較表も「年間で成婚退会した場合の料金 約49万円〜」と書いており、下限はこの計算と一致します。逆に、婚約に至らず半年で途中退会した場合(コンシェルジュコース)は、前払い165,000円(税込)+月会費6か月分112,200円(税込)=277,200円(税込)をすでに払っている状態から精算が始まります。
月会費無料保証は「返金保証」ではない
コミットメントコースには「月会費無料保証」が付きます。公式の記載は「万が一お見合いが成立しなかった場合、月会費を【無料】にいたします。」で、注記は「※コミットメントコース限定です。」「※紹介開始翌月から1年間限定です。」の2点。対象は月会費だけで、登録料・初期費用が返る制度ではありません。何をもって「成立しなかった」と判定するかの詳細な条件は公式サイトには書かれておらず〔未確認〕です。また、成婚保証や返金保証といった制度は、2026年9月6日時点の公式サイト上では確認できませんでした。
⚖️ 法律上の位置づけ
結婚相手紹介サービスは特定継続的役務提供の7類型のひとつ
消費者庁は「長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引のこと。現在、エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の7つの役務が対象とされています。」と説明しています。結婚相手紹介サービスの定義は施行令別表第四 七の項の「結婚を希望する者への異性の紹介」で、要件は提供期間が2月を超え、支払う総額が5万円を超えること。総額には入会金・登録料なども名目を問わず含まれます。逐条解説は金額要件について「これには、狭義の役務の対価に限らず、入学金、入会金、施設利用料等も含めた役務の対価のほか、役務の提供に際し購入しなければならない商品がある場合には当該商品の対価も含めた額をもって政令で定める額(5万円)を超えているかを判断するものである。」としています。
パートナーエージェントの公式記載を当てはめると、役務提供時期は「契約成立日より、18カ月間」で2月を超え、いちばん安いオンラインコースでも登録料33,000円(税込)+初期費用66,000円(税込)=99,000円(税込)で5万円を超えます。公式に書かれた条件のとおりであれば、3コースとも両方の要件を満たすことになります。ただし最終的な該当性は会社単位ではなく個々の契約書面の記載で決まるので、手元の契約書面の「役務の提供期間」と金額を確認してください。判断に迷ったら消費者ホットライン188へ。
なお、オンラインコースだから対象外ということはありません。逐条解説は「(注)役務の提供がファクシミリや電話、インターネット、郵便等を用いて行われる場合も広く含まれる。」と明記しています。
クーリング・オフは「書面又は電磁的記録」でできる
公式Q&Aの脚注は「※ご契約後、8日以内に書面でお申し出いただければ、契約の無条件解約ができる制度。」と説明しています。法律のほうはもう少し広く、期間は8日ですが、起算日は契約書面を受け取った日から数え、方法は書面又は電磁的記録(電子メール、事業者サイトの専用フォーム、FAXなど)が認められます。しかも発信主義で、通知を発した時点で効力が生じます。損害賠償や違約金を請求されることはなく、すでに役務が提供されていても対価を請求されません。
ここは読者の権利に直結するので、はっきり書きます。公式Q&Aの脚注は法律より狭い書き方になっています。ひとつは起算日で、法律が数え始めるのは「ご契約後」ではなく契約書面を受け取った日です。契約書面の交付が後日になったなら、そのぶん8日の始まりも後ろにずれます。もうひとつは方法で、法律は「書面」だけでなく電磁的記録でも認めています。そして特定商取引法第48条第8項は、クーリング・オフの規定に反する特約で消費者に不利なものは無効だと定めています。つまり公式の説明や契約書面が法律より狭くても、狭いほうに合わせる必要はありません。実際に出すときは、内容と日付が残る方法(特定記録郵便・簡易書留、送信記録の残るメールなど)を選び、控えを保管してください。
さらに重要なのが書面不備の論点です。逐条解説はこう書いています。
役務提供事業者等がこれらの書面を交付しなかった場合はもとより、クーリング・オフができる旨が記載されていない等、書面に重要な事項が記載されていない場合、クーリング・オフをすることができなくなるまでの8日間の起算日が到来せず、クーリング・オフできる時間が継続することになる…
結婚相手紹介サービスの契約書面には、逐条解説によれば「役務を提供する回数その他の数量の総計を具体的に記載する」義務があります。「有効期間内であれば提供される時間数、回数等に制限がない場合にはその旨記載する」、「約束ができない場合には、例えば、『役務の提供回数については約束できない。』等を明確に記載する必要がある」とも書かれています。パートナーエージェントは紹介数8名/月などをサイト上で公表していますが、それが契約書面に数量の総計として書かれているかは、契約した本人にしか確認できません。書かれていなければ、8日を過ぎていてもクーリング・オフの起算日が来ていない可能性があります。
8日を過ぎても中途解約できる。請求される額には上限がある
特商法第49条は、8日を経過した後も「将来に向かつてその特定継続的役務提供契約の解除を行うことができる」と定めます。消費者庁のQ&Aも「クーリング・オフ期間経過後も、その契約期間中であれば、いつでも、理由の如何を問わず中途解約することができます。」と明言しています。逆に言えば、契約期間が満了した後は中途解約できません。18か月の会員期間と自動更新の扱いを意識しておく理由がここにあります。
そのうえで、結婚相手紹介サービスの上限額は次のとおりです。
| 解約のタイミング | 事業者が請求できる額の上限 |
|---|---|
| 役務提供の開始前 | 3万円(7類型で最も高い額) |
| 役務提供の開始後 | 提供された役務の対価に相当する額 +「2万円 または 契約残額の20% のいずれか低い額」 |
「契約残額」は、対価の総額から提供済みの役務の対価に相当する額を引いた額です。ここでよくある誤解を2つ。ひとつは、これがあくまで上限であって、事業者に請求権を与えたものではないこと。逐条解説は「あくまで上限を規定したものであり、本項に定める額まで請求できる権利を役務提供事業者に与えたものと解してはならない。」と書いています。もうひとつは、開始後の上限は語学教室や美容医療の「5万円 or 20%」ではなく、結婚相手紹介サービスは「2万円 or 20%」だということ。他ジャンルの数字を持ち込まないでください。
そして前払い分について。消費者庁のQ&Aは「『入学金(入会金)は返還しない』等の特約は無効になります。」としています。国民生活センターも、結婚相手紹介サービスの相談事例として次のケースを公表しています。
結婚相手紹介サービスに登録し1年近く経ってから退会を申し出ました。会員規約では、中途解約の場合、既払い金や入会金、登録料、紹介料は一切返金されず、解約料として契約金額の2割を支払うことになっています。解約料が高額すぎるのではないでしょうか。
回答は「業者から精算方法が記載されている書面をもらい、特商法に定められた方法で精算されているか確認しましょう。」。注記として「役務(サービス)提供開始後は、提供された役務の対価相当額プラス2万円、または契約残額の2割に相当する額のいずれか低い額(49条2項1号)の合計額。なお、役務提供開始前であれば、3万円が上限となっている(49条2項2号)。」と書かれています。パートナーエージェントの会員規約は公開されていないので、同じ条項があるかどうかは〔未確認〕です。契約書面を出してもらい、この枠に収まっているかを照らし合わせてください。
初期費用について、もうひとつ知っておく価値のあるルールがあります。消費者庁のQ&Aは、入会諸手続などの初期費用を中途解約時に請求するには、契約書面の「精算に関する事項」に、その具体的な内容と請求する旨があらかじめ示されていることが必要だとしています。パートナーエージェントの初期費用は「専任の成婚コンシェルジュの割り当て、婚活設計インタビューの実施による活動設計やプロフィール作成のサポート…各コースの活動準備のために要する費用です」と定義された前払い費用です。中途解約のときにこれを請求されたら、その根拠が契約書面のどこに書かれているのかを示してもらってください。書かれていないまま請求されているなら、そこが交渉の起点になります。
成婚料の法的な扱いは、公的な資料に書かれていない
ここは正直に書きます。特定商取引法の逐条解説、消費者庁の運用指針、消費者庁の解説ページ、消費者庁Q&Aの4つの公的文書を全文検索しても、「成婚」という語は1回も出てきません。成婚料が中途解約のときにどう精算されるのか、公的な記述は存在しないということです。したがってこの記事では断定しません。言えるのは、公式の定義上は「ご成婚退会時に発生する成功報酬費用」であること、支払い時期も成婚退会後に設定されていること、そして名目を問わず支払わなければならない金銭は5万円の総額要件に算入されること。すでに成婚料が発生した状態での退会など、個別の事情がある場合は188に相談してください。
関連商品として一緒に解約できるのは宝石・装身具だけ
結婚相手紹介サービスの「関連商品」として政令が指定しているのは、「真珠並びに貴石及び半貴石」と「指輪その他の装身具」の2つだけです。本体契約を解約すれば、これらの売買契約も併せて解約できます(関連商品だけの単独クーリング・オフはできません)。逆に言えば、プロフィール写真の撮影やセミナー、書籍などはこの枠では解約できません。なお、結婚相手紹介サービスの関連商品に消耗品の指定はないため、指輪を身につけたというだけでクーリング・オフの権利を失うことはありません。
勧誘の内容が違ったとき/請求額が上限を超えたとき
国民生活センターは「結婚相手紹介サービスについては、『解約料が高い』『返金額が少ない』といった解約に関する相談のほか、…『事前に聞いていたサービス内容と異なる』『希望する条件に合った人を紹介されない』などのサービス内容に関する相談が多くみられます。」と公表しています。「必ず条件に合う人を紹介できる」と言われて契約した場合は、不実告知にあたれば契約の取消しを検討する余地があります。また、特商法の枠に収まらない場面でも消費者契約法第9条第1号が働き、解約に伴う違約金のうち「平均的な損害の額」を超える部分は無効です。同条第2項により、消費者から求められれば事業者は算定根拠の概要を説明する努力義務を負います。
ひとつ注意点を。パートナーエージェントの公式サイト内には、2018年に書かれた古いコラム(パンくずも「2018年の記事」)が今も残っていて、そこには「結婚相談所は特定商取引法における中途解約可能な6業種に指定されています。したがって、中途解約を理由に違約金を請求されてもそれを支払う必要はないのです。」と書かれています。この記述は2点、現在の法令と合っていません。ひとつは業種の数で、消費者庁が挙げているのは7つの役務です(美容医療を含む7類型)。ただし6でも7でも、結婚相手紹介サービスが対象に含まれることは変わりません。「6業種と書いてあるから結婚相談所は外れたのかも」と読む必要はありません。
もうひとつは「違約金を支払う必要はない」という部分です。中途解約したときに、提供済みの役務の対価に相当する額と、前掲の表の枠内の額は請求されうるので、「一切払わなくていい」と読むのは誤りです。逆に、表の上限があるからといって上限額まで当然に払うわけでもありません(逐条解説が「本項に定める額まで請求できる権利を役務提供事業者に与えたものと解してはならない。」と明記しています)。請求されたら、内訳が上限の枠に収まっているかを一つずつ確かめてください。なおこの2018年のコラムは成婚の意味についても「成婚とは2人が結婚の意志を固めたときとはっきり定義されている」と書いており、現在の公式Q&Aの「真剣交際中のお二人が婚約されたことを意味します。」とは表現が違います。サイト内の古い記述を根拠にせず、契約書面と会員規約の現行の文言で確認してください。判断に迷ったら消費者ホットライン188です。
📗 これから契約する人へ
出口の条件は、入口で聞くのがいちばん安く済みます。無料相談や入会面談の場で、次の7点を口頭ではなく書面で確認してください。
- 途中退会の申し出方法と締切(何日までに伝えれば翌月の月会費が発生しないのか)
- 登録料・初期費用が中途解約時にどう精算されるか。契約書面の「精算に関する事項」に具体的に書かれているか
- 18か月の会員期間が終わったあと、自動更新を止める手順と期限
- 紹介・お見合いの回数や数量の総計が契約書面に書かれているか(書かれていない場合は「約束できない」旨の明記があるか)
- 成婚料が発生する条件(何をもって「弊社が定めるご成婚退会」とするか)
- 休会の上限期間・回数と、休会中も会員期間が進むことの確認
- 割引プランを適用した場合の登録料・初期費用・月会費の実額(税込)を書いた見積書
契約前に交付される概要書面と、契約後に遅滞なく交付される契約書面は、法律上の交付義務がある書類です。受け取っていない、あるいはクーリング・オフの記載がないなら、それ自体が重要な手がかりになります。捨てずに保管してください。
よくある質問
Q. 退会はメールでも申し込めますか?
A. 中途退会の申し出方法について、パートナーエージェントの公式サイトには記載がなく〔未確認〕です(特定商取引法に基づく表記、コースと料金、Q&A、ご入会後のプロセスのいずれにも手順・締切の記載はありません)。担当の成婚コンシェルジュか本部に確認してください。ただし契約から8日以内のクーリング・オフに限れば、法律上は書面のほか電磁的記録(電子メールなど)でも認められ、発信した時点で効力が生じます。公式Q&Aの脚注は「書面で」とだけ書いていますが、法律のほうが広く認めています。送った記録は必ず残してください。
Q. 休会すれば費用を抑えられますか?
A. 休会は1か月単位で、費用は月2,200円(税込)です。ただし公式が「活動休会期間についても会員期間となります。」と書いているとおり、18か月の会員期間は休会中も進みます。前に払った登録料・初期費用は休会しても戻らず、活動しないまま契約期間だけが減っていく形になります。中途解約は契約期間中であればいつでもできる一方、契約期間が満了した後はできません。ただし公式の表記は「以降、自動更新」となっており、更新後の契約期間と中途解約の扱いは会員規約が非公開のため〔未確認〕です。活動する見込みが立たないなら、休会と退会のどちらが得かを、更新の時期も含めて比べてください。休会の上限期間や回数は公式サイトでは〔未確認〕です。
Q. 婚約する前にやめたら、成婚料220,000円(税込)は請求されますか?
A. 公式サイトは成婚料を「弊社が定めるご成婚退会時に発生する成功報酬費用」と定義し、成婚を「真剣交際中のお二人が婚約されたことを意味します」と説明しています。この定義に沿えば、婚約していない途中退会で成婚料は発生しないことになります。ただし「弊社が定める」「コース・条件により異なります」という限定が付いており、判定基準の原文は会員規約が非公開のため〔未確認〕です。成婚料の中途解約時の扱いについては公的な資料に記述がなく、この記事では断定しません。請求されて納得できない場合は188に相談してください。
出典一覧
- (パートナーエージェント 特定商取引法に基づく表記・2026年9月6日確認)
- (パートナーエージェント コースと料金・2026年9月6日確認)
- (パートナーエージェント Q&A・2026年9月6日確認)
- (パートナーエージェント ご入会後のプロセス・2026年9月6日確認)
- (パートナーエージェント 会社概要・2026年9月6日確認)
- (パートナーエージェント 結婚相談所はトラブルが多い?回避するためのポイント・2026年9月6日確認)
- (タメニー株式会社 会社概要・2026年9月6日確認)
- (消費者庁 特定継続的役務提供・2026年9月6日確認)
- (消費者庁 特定継続的役務提供 Q&A・2026年9月6日確認)
- (消費者庁 特定商取引に関する法律・解説(第4章 特定継続的役務提供)・2026年9月6日確認)
- (e-Gov法令検索 特定商取引に関する法律施行令・2026年9月6日確認)
- (e-Gov法令検索 特定商取引に関する法律・2026年9月6日確認)
- (国民生活センター 高額な解約料を請求する結婚相手紹介サービス・2026年9月6日確認)
- (国民生活センター 希望する相手を紹介してもらえない・2026年9月6日確認)
お金の請求に納得できないとき、契約書面が手元にないとき、勧誘の説明と実際が違ったときは、一人で抱えずに消費者ホットライン188へ相談してください。
